トップページ>希望社について>公共工事に関する取組み>北東部コミセン工事報告>2003/5/23低入札価格調査実施の理由
低入札価格調査というのは、発注者が入札前に定めた基準以下の価格で落札した場合に実施される調査。調査の結果によっては落札を取り消される事もあります。実施の目的は不当なダンピングを防止するためです。
当社・丸泰JVは、5月23日に行われた低入札価格調査聴聞会を受けた後、入札価格の正当性は認められ、コミセン工事の受注に至りました。しかし、公共建築室は、調査実施の理由を教えてくれません。そこでJVでは情報公開制度を利用することにしました。行政管理部契約室に請求したのは11月20日。12 月2日に低入札価格調査要綱と低入札価格調査入札価格調査票が公開されました。これらの文書と契約課職員の説明によると、今回調査が入ったのは、JVの落 札価格が『調査基準価格』を下回ったためとのこと。ところが、調査票に記載してある肝心の基準価格が黒く塗りつぶされています。契約室職員の話では、開示 を拒んだのは公共建築室とのことです。
調査基準価格は調査要綱によると建設工事の場合は、直接工事費の額。調査基準価格を公開しない理由としては『市の機関が行なう事務または事業に関する情 報であって、契約にかかる事務に関し、地方公共団体の財産上の利益又は当事者としての地位を不当に害する恐れがあることが明らかなものに該当するため』 と、記述されていますがよく分かりません。
調査基準価格が具体的にいくらなのか、それが示されなければ調査実施の理由がわかりません。JVでは今度は調査基準価格の開示を求めます。
コミセン工事における低入札調査基準価格の非公開に対して、当社は、1月30日、岐阜市情報公開条例に基づき不服申立てを行いました。
これに対し、4月4日、岐阜市情報公開・個人情報保護審査会(以下、審査会という)が開会され、審査委員による希望社と岐阜市双方からの意見聴取と質疑 応答がなされました。※審査会とは、不服申立について、実施機関(今回の場合は岐阜市)の諮問に応じて審査を行い、又は情報公開の推進に関し意見を具申す るため設置する会。市長が任命する学識経験者5人以内で組織される。
審査の結果、6月19日、審査会より「調査基準価格の非公開を取り消し、公開すべきである」との答申が出され、この答申を受け、7月5日、岐阜市は調査基準価格の非公開を取り消し、公開する決定を出しました。
審査会の答申は当社の主張をほぼ代弁してくれました。答申を受け、基準価格は公開され、基準より落札価格が下回っていたことが明らかになりました。
※審査会の開催に際して、2月20日に岐阜市が審査会に提出した陳述書の全文をご紹介しています。(調査基準価格を非公開にした理由が述べられています。)
※7月5日に岐阜市が審査会の答申を受けて出した決定書の全文をご紹介しています。