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「公共工事の入札制度に関するアンケート」を実施しました

岐阜市では最低制限価格制度と総合評価方式の導入等により、建築工事の落札率が年々上昇しています。

当社は、競争性が失われ、工事を高く発注する現行の入札制度には問題があるとし、下記の提言を飛翔145号に掲載しました。

1)総合評価方式について、入札価格がより重視されるよう評価項目と配点を見直す

2)最低制限価格及び失格判断基準を予定価格の65%前後とし、競争性をもたせる

3)低入札価格調査制度の専任技術者の追加を廃止する

4)入札参加資格のランク分けを行うと同時に、他地域からの参入も可能にする

詳細は飛翔145号/PDF11.7MBをご覧ください)

最低制限価格制度と総合評価方式等の制度は、岐阜市だけでなく多くの自治体の入札に取り入れられており、全国共通の問題だといえます。

そこで当社は、この問題を広く知っていただき、制度について行政を監視する立場の方に意見を求めたいと考えました。

そして、飛翔145 号を中部地方の議員と全国のオンブズマンに配布し、公共工事の入札制度に関するアンケートを実施しました。

アンケート概要
実施期間 2014年11月〜12月
対象 愛知県、名古屋市、岡崎市、一宮市、春日井市、刈谷市、豊田市、安城市、西尾市、小牧市、稲沢市、
岐阜県、大垣市、各務原市、岐阜市、関市、高山市、多治見市、中津川市、
三重県、津市、四日市市、松阪市、桑名市、鈴鹿市 の議員合計880名
全国のオンブズマン82団体
※国会議員にも送付予定でしたが、11月の衆議院解散により中止

アンケート結果

880名の議員と82団体のオンブズマンに送付したところ、議員からは8名、オンブズマン所属者からは2名、合計10名の回答をいただきました。

回答率は議員が0.9%、オンブズマンが2.4%と大変低く、残念な結果となりましたが、いただいたご意見を紹介します。

質問1 現在の、貴自治体発注工事の平均落札率はどの程度だとお思いですか?

□95%超 …3名 □90〜95% …3名 □90%未満 …4名 □わからない …0名

質問2 飛翔145号で紹介した岐阜市の入札制度は、価格競争を過剰に制限して 公共工事費を高くする不当なものだと思いますか?

□そう思う … 5名

(理由)

・落札者決定の内容に公正性、公明性さが欠落している。評価値について疑問、加算点は安いほうが入札価格は低いほうが評価値が高くなる仕組みは理解しにくい。評価値が最終の結論であって当然なのでは。どうも政治的な配慮が影響しているように思う。(四日市市 石川勝彦)

・入札制度の不備を使用する事が可能である為に結果として機能不全になっていると思われます。(オンブズ近畿 長谷拓洋)

・当倉敷市も同じ傾向にある(倉敷市民オンブズマン 三宅毅)

□そう思わない … 5名

(理由)

・かつてダンピング入札が多くあった。落札率が低くなるのは、設計価格が不適切のためと思われる。積算が正しければ100%の落札も正しいと言える。末端の下請け労働者を守り、人材を確保するには、労賃の支払いも確認することも総合評価に入れるべき。(匿名)

・「そう思わない」としたのは、岐阜市の入札制度の方式そのものに問題があるのではなく、評価項目や低入札価格調査制度等について常に見直しを行い、工事ごとにより適正に設定することによって、ダンピングを防止するとともに工事の品質を確保することに一定の効果が得られると考えられることから、不当とまではいえないと思ったため。(匿名)

・働く人や業界がさらに仕事をする上で、価格が上がるのは当然(豊田市議 都築繁雄)

・市内業者の健全育成と企業の地域貢献を促進する制度として賛成しています。(匿名)

□わからない …0名

質問3 公共工事の入札及び契約制度についてのご意見をご自由にお書きください

・社会資本の整備である公共工事の基本理念は、より良い品質のものをよりやすく契約し市民の利益に繋がるべきことにあると考えますが、公共工事は、もう一方で地元への経済や雇用への効果、災害時等のためにも地元企業の育成といった側面も持ち合わせていると思います。(匿名)

・公共工事の入札制度においては、これまでもさまざまな入札制度が実施されてきていますが、自治体それぞれを取り巻く状況もある中、この基本理念を適正に達成できる制度に改善するよう今後も注視していきたいと考えています。(匿名)

・入札の単価をもっと現実の価格にすべきと思います。現実の単価で行政も受け単価を上げるべきです。(豊田市議 都築繁雄)

・松坂市の入札制度 談合が出来ない予定価格の85%で入札をする独特の制度です。詳しくは松坂市のHPで資料を入手してください。(匿名)

・根本的には、公共工事のあり方及び入札・契約制度も工業と農業・資本主義・現代文明・都市と農村・中央と地方・国民の価値観・生き様…が問われているのであり、終局的には、自然・生態系・地球に対して、いかに負荷をかけない様にするための技術論・方法論だと考えます。(倉敷市民オンブズマン 三宅毅)

・提言1について 下請けに対する労賃の支払いなど、間接的でも工事品質に影響する。男女共同参画に対する配慮など、将来の人材確保に必要な項目は重要。 公共工事を発注する側が正確な積算が出来る能力を養うことが必要。資材の高騰、人件費の上昇など、迅速な対応が必要。地域の業者を優遇し過ぎるのは問題だが、災害時の対応など地元業者を育成しておくことも必要である。(匿名)

・市民の税金が使われるわけですから少しでも安く入札されるべき。(匿名)

・入札の手続きを変えるしかないように思います。 案1)管理部署による入札認可を入札部門の選任業務として別々の部署で手続きを分ける  2)入札手続きを民間人を入れて行う制度とする  3)入札制度の基本的法制度を確立する(運動が必要)(オンブズ近畿 長谷拓洋)

ご回答ありがとうございました。

当社は今後も、公共工事が市民のために「安く」発注されるよう、制度改革を訴えていきたいと思います。引き続き、公共工事や当社の提言・取り組みに対するご意見・ご批判をお寄せください。

掲載記事のご紹介

弊社発行の建築情報誌『飛翔』145号(2011年7月号)では、特集「公共工事の入札制度を考えるー岐阜市入札制度への提言ー」を掲載しています。
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