遊自耕81号

総選挙、私も納税者として主張します

公共工事は高すぎます

希望社は岐阜市発注の建築工事をこれまでに2件受注しました。1件目は一昨年度の「北東部コミュニティーセンター及び岐阜北消防署三輪出張所建築主体工事」で、予定価格4億6,800万円に対して3億5,700万円で落札しました。落札率は76.3%です。

2件目は今年、「七郷小学校校舎増築主体工事」を、予定価格2億3,000万円の83.3%、1億9,160万円で落札しました。この2物件の工事を通して、希望社は、岐阜市の財政支出縮減に1億4,940万円貢献しました。

しかし、現状の岐阜市の建築工事は、大部分が予定価格の96%以上で発注されています。本当はもっと安く発注できるだろうに。これは税金の無駄使いであり、改めなければなりません。

高い理由は談合です

公共工事の大部分は談合により受注業者が決定します。談合は犯罪ですが、建設業者間では日常茶飯事です。今話題の鉄骨橋梁談合事件なども、建設業者にとっては生きるための当然のことと受けとめられています。
これを無くすには、談合が機能しないような仕組み作りが必要です。もちろん、この仕組みを建設業者が自発的に作ることなど考えられません。それを実現するのは、役人の仕事だと思います。ところが、その役人こそが談合の立案者であり擁護者ですので、質が悪いのです。

今の入札では価格競争は生じない

今公共工事では、一般競争入札と指名競争入札のいずれかの方式で入札が行なわれています。ただ、岐阜市の建築工事の一般競争入札は、03〜05年度の3年間でわずか2件(「公募型指名競争入札」という一般競争入札に近い形の指名競争入札を加えても合計6件)しかなく、ほとんどの入札が指名競争入札です。

そして岐阜市は、"地理的条件を考慮する"と言って、岐阜市をいくつかに区分けし、発注物件に近い区域に本社を置く業者だけを対象に指名しているようです。広い地域からの入札参加を制限し、顔見知りだけを集めて入札をしているのですから、業者が談合することなど訳もないことです。

これでは、価格競争など起きる訳がありません。指名競争入札は、役人が入札参加会社を特定し、談合のし易い条件づくりをする仕組みなのです。

談合をやめさせて財政再建を!

「財政再建は支出を抑えるだけでは駄目。税収の増が大切」そんな意見もあります。当り前の話ですが、やはり財政再建の前提は歳出改革の徹底です。

多くの民間企業は、需要の減少による経営の困難をリストラによって切りぬけてきました。財政再建も同様に、税の無駄使いを正すことが第一で、その最も効果が期待できる対象が公共工事であります。

国家予算82兆円の約1/4が公共工事に関連して支出されています。談合をやめさせたら、その25%くらい、ほぼ5兆円の歳出を減らすことができます。また、不要な公共工事を取りやめることにより、さらに大きな縮減となります。談合や無駄な工事を無くすことは、行政改革や地方分権のためにも避けて通ることはできません。

総選挙に当り提言します

一般競争入札を入札の主流に転換する

指名競争入札を行なう工事の規模を限定し(例1,000万円未満)、一般競争入札の工事数を大幅に拡大する。

これにより、現行の競争不在の入札が、相当程度競争的に変わります。

入札参加対象区域を拡大する

地方自治体が実施している区域分けを改め、広い地域の建設業者の入札参加を促進する。

共同企業体(JV)を入札参加条件とすることを、原則としてやめる

JVでの参加を要求することは、建設業者間の緊密な連携を前提とするものであり、談合の幇助に等しい。また、この連携に加わらない者を入札から排除する条件となるものです。

そして、同業者の皆さんへ

公共工事は引き続き減少していきます。一時84兆円に達した建設総投資額は10年間で51兆円に減りました。建設業者数は56万社で横ばいです。談合して順番待ちをしていても生き残る保証はありません。
公共工事依存の経営をやめましょう。新しい時代に対応し、多くの建主に求められる、透明性・競争性に富んだ会社を目指しましょう。その努力ができなかったら、早期廃業するしか道はありません。
  投票日は9月11日、私も納税者として選挙に参加します。誰かに投票することではなく、主張を引っ下げ街に出る、というやり方で。

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