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創業者桑原によるコラム「遊自耕」は、隔月発行の建築情報誌「飛翔」誌上にて連載しています。飛翔の送付をご希望の方は、飛翔送付申込フォームよりお申込下さい。(送付無料)
国会は開催しましたが、審議はなされません。日本の政治はいったいどうなってしまうのか、私たち庶民にはさっぱり分かりません。
目覚めたら、民進党は実質解党(党内クーデター)で、そこには根のない花がつぼみを広げているではありませんか。開いたばかりの希望の党に、民進党の多くの候補者や、議席欲しさの各会派候補者が、群舞しています。花は人食い花、毒花かもしれないのに。
一夜にして政権党ができあがり、国民は歓喜して雄叫びを上げる。これでは、ナチス・ヒットラーの再現になりかねません。
こんな状況を作らないために、マスコミには、今回の選挙は誰が何のために企てたのか、何を判断したら有権者は政治を国民の側に近づけることができるのかを、親切に報道するよう期待します。“自公か希望の党か、勝者はどちら!”こんなスポーツ観戦のような報道は避けるべきであります。
今回の選挙は、国民には何も知らさず、1カ月足らずの間に、国の進むべき道を議席という道具で決めてしまう、とても危険な企てであります。民主主義も主権在民も、議員が守ってくれる訳がありません。私たち庶民の声がなければ成り立ちません。
自公で2/3の議席を得ている間に憲法改正を発議しようとした試みは、失敗しました。
内閣支持率に胡坐をかいて、森友・加計疑獄をもみ消し、反省と語るばかりで何もしない。そんな不遜な人物が、国民をアベノミクスの飴玉でごまかし続けていましたが、しかし、そう長くは続かない。正体が見えてきました。東京都議会選での惨敗が如実に示す通り、安倍晋三を頭にいただく自民党は、すでに敗北の道を歩み始めています。
自民党に負けず劣らず敗者の道を歩む民進党も同じで、一発逆転を試みたものの、思う通りにはいきません。
思うに、今回の選挙で自公は1/2の議席を取れず、自公政権は成り立ちません。一方の希望の党も、小池党首を看板にしても1/2は無理でしょう。
その結果、安倍おろしをした自民・公明+αの内閣か、他党議員や無所属議員を選挙後にかき集めて1/2以上の勢力を作ろうとする希望の党の内閣のいずれかが、選択されるものと思います。
そして、いずれの選択がなされても、与党は、相当な勢力を持つまとまった野党と、国民不在の審議を国会で行うことができるようになる、すなわち、憲法改正に絶好の舞台が整えられることは間違いありません。ただ、この流れから排除された議員やさまざまな意見を持つ国民の声が高まっていくでしょうから、今のところ、どんな結論に落ち着いていくかは明らかではありません。
「日本会議」は、ほとんど世に知られていない、マスコミさえ踏み込んだ取材ができない不思議な組織です。国会議員約280名をはじめ、経済界、学界、宗教界などの主要人物で構成される38,000名もの大組織だそうです。“美しい日本を取り戻す”と称して、国民主権の現行憲法を君主主権に替える右翼的憲法改正を日程に上げる実践団体です。
本年3月時点で、安倍内閣の閣僚20名中14名がこの日本会議会員でした。国家の中枢部がこれら右翼思想礼賛者によって占められていたのです。安倍総理と麻生副総理は日本会議国会議員懇談会の顧問であり、安倍内閣は日本会議が国政分野に送り込んだ人たちによる右翼組織でした。
日の丸を掲げ、靖国神社に団体で参拝し、憲法の国民主権と平和主義を否定する。至近で言えば、北朝鮮の軍拡政策を逆手にとって、憲法解釈上認められてきた自国防衛のための軍事力保持の枠を超えた「集団的自衛権」を認めるなど、憲法違反の愚を犯しています。
憲法を改正して戦争しようとする、こんな人たちが寄ってたかって企てたのが、森友・加計疑獄事件であり、その首謀者は安倍晋三であります。国政改革のためには、今回の選挙において安倍晋三を糾弾し、裁判の場に引き出さなければなりません。
憲法改正議論は、国民主権・民主主義・平和主義を基本にする合意のもとに進めなければならないと思います。読者の皆様、ネットで日本会議を見てから、投票所に出かけてください。小池さんも日本会議の会員です。