当社代表桑原によるコラム「遊自耕」は、隔月発行の建築情報誌「飛翔」誌上にて連載しています。飛翔の送付をご希望の方は、飛翔送付申込フォームよりお申込下さい。(送付無料)

遊自耕 不常識を食らう シリーズno.131

国民の手で鉄槌を

憲法改正が生き甲斐

2006年、第1次安倍内閣が、「美しい国づくり」と「戦後レジームからの脱却」を掲げて誕生しました。

教育基本法の改正、国民投票法、防衛庁の省への昇格など、憲法改正をめざす政策を進める過程で、年金の大疑惑が発覚すると、安倍総理は、自分が総理である間に「100年安心の年金制度」を作ると無責任に語り、国民の支持を失い、体調を崩し、1年足らずで退場しました。

それから6年、国民の民主党への落胆を利用し、国民から見放された政党政治の隙間をかいくぐって、安倍さんは再び総理の座を射止めました。

第2次安倍内閣は、経済成長と景気の回復を衣にまとい、国民を欺きながら、御用学者とマスコミを活用し、小泉元総理から伝授されたパフォーマンスを駆使して、言われなき国民の支持を得て誕生し、今再び「美しい国づくり」と「戦後レジームからの脱却」をめざしています。

国民主権を奪う国家主義

安倍総理は初め、集団的自衛権の確立、国防軍創設、憲法改正などを急速に進めようと企てましたが、国民の不安と不信を招いて思うようにならず、改憲を急がずに、現憲法下でも戦争ができる解釈を、国会の議席数が安定多数であることを盾に推し進めています。

世論を全く無視して成立させた特定秘密保護法など、その最たるものであります。

法律の内容を国民に良く知らさず、国会の審議さえ尽くさず、一気に成立させたこの法律は、戦前に作られた治安維持法や大政翼賛会と同じであり、それらがあの大戦を推し進める強大な力となったことは、言うまでもありません。

芸術も文学も学術もスポーツも制限され、歌さえも自由に歌えない。企業も総動員され、国民は1銭5厘の赤紙で戦地に送られる。大東亜共栄圏の名の下に多くの国々に進駐し、1900万人を超える人々を死に至らしめ、一億総玉砕の名で自国民の命をも奪う。

このような国家による大罪がなされたのと同じような状況が、今まさに作られつつあります。国民から主権を奪い、国家の命令一つで戦争のできる道が、「美しい国づくり」であり「戦後レジームからの脱却」であります。

マッチポンプの軍事的緊張

安倍晋三、麻生太郎、石破茂

尖閣諸島問題をはじめとする隣国との軍事的緊張は、「アメリカの庇護だけに頼らず、自国の軍事力を強化し、集団的自衛権に基づき共同で戦闘しなければ領土は守れない」という世論の高まりを期待して、石原氏(日本維新の会共同代表)と安倍総理が共同で仕掛けたものです。

このような仕業は、平和主義を掲げる現行憲法を真っ向から否定するものです。現憲法下では、防衛と外交戦略はあっても、軍事戦略はあり得ない。にもかかわらず安倍総理は、強引な実績作りを企てています。

彼の頭にあるのは、祖父の岸信介元総理や、大叔父の佐藤栄作元総理が描いた軍事大国と同夢であります。

安倍総理とその仲間達

本意ではなかったと後に釈明はしましたが、「ナチスの手口に学んだらどうか」と発言した麻生副総理や、「デモはテロ」と指摘した石破幹事長。徳田虎雄氏に猪瀬都知事、石原日本維新の会共同代表。

彼らは安倍総理と一蓮托生であり、こんな人たちに政治を任せるわけにはいきません。

特定秘密保護法の審議・成立を経て、安倍内閣の支持率が急落しました。国民の声を無視する政権が、長続きする訳がありません。

「戦争のできる美しい国」「戦後レジームである国民主権を打ち壊す」こんな人物に、言われなき期待を抱いてきた私達が、正気を取り戻し、彼らに鉄槌を加えていかなければなりません。

原発再稼動、消費税増税、TPPなど、闘う課題はいっぱいあります。今こそ、政治家に文句を言うだけでなく、できる限りの行動を積み重ねていきましょう。

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