当社代表桑原によるコラム「遊自耕」は、隔月発行の建築情報誌「飛翔」誌上にて連載しています。飛翔の送付をご希望の方は、飛翔送付申込フォームよりお申込下さい。(送付無料)

遊自耕 不常識を食らう シリーズno.130

正気の沙汰ではない

今号もアベノミクス

近頃の飛翔は、建築情報誌と言うには程遠い話題を取り上げてきました。そして、今号の遊自耕のテーマも、アベノミクスです。これを語らなければ、腹の虫が治まらないからです。

パフォーマンスだけで他に何の取り柄もない安倍さん率いる内閣は、次回の総選挙で大敗すると思います。それは、前回の総選挙前の民主党と同様に、庶民との結びつきを持たず議席のみを求め続けた政党政治が機能していない中で、同じようなことを繰り返しているからです。

次回の総選挙では、既存の政党と色合いを異にする人達が、多様な主張を引っさげて登場することを期待します。ただ、難しいのは選挙制度。このしばりを壊さなければ、旧態依然とした人達が延命し、庶民の暮らしは悪化の道を辿ると思います。

2番煎じのアベノミクス

安倍内閣の外交防衛政策は、一世紀前の大東亜共栄圏を目指した侵略路線の塗り直しであり、そのために憲法の平和条項を全面否定し、軍国主義的復活をねらっています。

経済政策は、経済先進国となった日本の環境変化を検証もせず、高度成長期からバブル崩壊までに既に体験済みのインフレ政策による経済成長路線であり、大量生産・大量消費が行き詰っているわが国で、機能する訳がありません。

新しいものを持たない無能な者が、パフォーマンスだけに頼って行う政治は、滑稽であり、無用であります。以下、許し難い安倍内閣の政策2つを、こき下ろすことにします。

(1)原発再稼働と原発の国外輸出

安倍さんは、2020年夏季五輪の開催都市を決める国際オリンピック委員会総会で、“福島原発の汚染水は完全にブロックされている”と、でまかせのパフォーマンスを演じ、誘致を決めました。国民の約80%が汚染の事実を憂いている中での、デタラメ発言でした。

近頃は、恐るべき外洋汚染も拡大しているのに、“汚染水は一定のエリアに留まっている。全体の状況はコントロールされている”と苦肉の説明を行っています。

放射性廃物についても同様です。原発稼働から50年間何の手立ても見出せず、今後それをどうしたらよいのかの見通しもないまま、地中埋設が可能になっていると語り、安全対策を講ずることにより原発を再稼働させると言っています。また、福島原発の事故処置も出来ないのに、わが国の原発は安全だと称して国外輸出を目論んでいます。正に言語道断であります。

安倍さんの原発政策は、正気の沙汰ではありません。原発の維持は、彼のご先祖様、佐藤栄作元総理が構想した核武装のための必須条件であり、軍国主義復活のためには、原発を手放すことは出来ないのでしょう。

(2)公共事業を餌食に、インフレ政策を進める。

景気対策として公共事業を拡大発注することは、今や国民の支持を得られません。

今回の公共事業は、箱物ではなく修繕が中心です。橋が落ちる、天井が落ちる、耐震対策、津波対策など、大量の公共インフラ工事が発注されています。

この公共事業拡大の目的は、長期間にわたる建設投資の縮小で転職してしまった建設労働者を、賃金等を改善することで建設業に呼び戻し、弱体化した建設業を再起させることにあると言われています。

しかし、国が大量の公共工事を発注しても、建設業者は、仕事は欲しいが職人がいないので工事を請けることができない。今や業界は悲鳴をあげています。また、仕事は多いのにそれに応える労働者がいないので、建設費は急激に高騰しています。

アベノミクスの3本の矢の一つ「機動的な財政政策」は、民間発注者に苦渋を与え、建設業の再起とはほど遠いものとなっています。建設価格の高騰は、建設業を先兵としてあらゆる産業分野にインフレを拡大していく安倍内閣の政策の表れであり、建設業の再起などにつながるものではありません。

消費税増税による駆け込み需要が終わり、安倍内閣の言われなき人気が正気に戻った時には、業界は大打撃を受けることになります。この政策も言語道断であります。

真面目に考え、行動しましょう

安倍晋三、麻生太郎、石破茂

3名を並べてみました。彼らが何を考え、何を語っているか、じっくり考えてください。彼らに政治を任せ、国を預けることが出来ますか。

私は、原発再稼働やインフレ経済には反対です。物余りの時代に物欲を喚起する、麻薬の政策に乗ってはなりません。国の行く末を見誤ります。

愚民大衆と侮られないように、庶民による政治改革運動を発展させていきましょう。

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