当社代表桑原によるコラム「遊自耕」は、隔月発行の建築情報誌「飛翔」誌上にて連載しています。飛翔の送付をご希望の方は、飛翔送付申込フォームよりお申込下さい。(送付無料)

遊自耕 不常識を食らう シリーズno.129

参議院選挙結果雑感

落選された方々へ

7月に行われた参議院議員選挙は、自民党の圧勝でした。しかしこれは、4年前に民主党が圧勝したのと同じことで、次回の総選挙までに自民党が国民の支持を失っていくことは必定だと思います。情報化が進み、国民の意識と価値観が多様化し、既存の政党を必要としない人達が増加して、その先の見えない社会になってきているからです。

この選挙前に当社は、14の政党と無所属合わせて364人の立候補予定者の方々にアンケートをお送りし、93名の方から回答をいただきました(詳細は本誌前号または当社HPをご覧下さい)が、そのうち自民党の4名と共産党の2名は当選され、残り87名は落選されました。

政治は議員だけで行うものではありません。強く信ずるものを持っておられる方には、落選されても自分にできる政治参加を試みて活動されますよう、期待します。

アンケートを読ませていただいて

○自民党の安倍さんに聞いてみたい

なぜデフレを克服しなければいけないのですか。

なぜ経済を成長させなければならないのですか。

日本のデフレ経済は、20年以上も成長のない社会を回してきました。消費者である庶民は、デフレにより生活を安定させてきたのに、経済成長とインフレは物価の高騰を招き、生活を苦しくしていくと思います。

経済成長とインフレは、大企業と富裕層のための政策であるとしか思えないのですが、それを推進しているアベノミクスは、庶民の暮らしをどう良くするのかを、お聞きしたい。

○共産党の志位さんに聞いてみたい

“富裕層のためでなく庶民のための経済成長が必要。庶民の賃金を引き上げ、庶民の需要を増やして経済成長を実現する。”この姿勢には賛意を抱いていますが、少し分からないところもあります。

今庶民は、有り余る生活物資に囲まれて暮らしています(一部そうでない人もいます)。でありながら、際限なく利便性を手に入れようとし、企業には賃金増額を、国家にはより大きな社会保障を求め続けています。

しかし、ここで一旦立ち止まり、企業や国家への依存を断ち切って自立した生き方を取り戻す方向に軸足を変えていくべきだということに、もうそろそろ気付かなければならないと思います。

庶民の代表者として庶民の要求実現を叫ぶだけでなく、物欲に侵されて己の生き方を振り返らない人たちに自己反省を呼びかける。こんなことのできるのは、既存政党では貴党だけだと思いますが、いかがですか。

○幸福実現党の大川さんに聞いてみたい

貴党の立候補者の多くから、原発は絶対必要で即再稼動すべきだという主張の中で、国防や安全保障の観点での意見が出されています。

同様の意見を持つ党は他にもあるものと思いますが、公然と主張されているのは貴党だけです。貴党がこのような見解を強く主張される理由を、わかりやすくお聞かせ下さい。

○みどりの党に期待します

庶民の消費拡大願望を自粛する呼びかけの難しさに悩みながら、脱経済成長至上主義を訴え、市民運動に取り組む。このようなみなさまの活動が、新しい政治の風になることを期待しています。

できることから

原発、憲法、TPPなど、国の方向を左右する課題が山積しています。

議員に代表権を渡せば何とかなるというものではないことは、分かってきました。

一人一人の力は小さいですが、既存の政党まかせにせず、庶民として政治活動に取り組んでいかなければならないと思います。

読者の皆様、一緒にできることからやっていきましょう。

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