当社代表桑原によるコラム「遊自耕」は、隔月発行の建築情報誌「飛翔」誌上にて連載しています。飛翔の送付をご希望の方は、飛翔送付申込フォームよりお申込下さい。(送付無料)
昨年の総選挙の得票率が小選挙区で43.0%、比例区で27.6%なのに、294議席(61.3%)を得た自民党は、多党化した党派の協力を得て、参議院での安定多数を目論んでいます。
昨年12月に就任した安倍晋三内閣総理大臣は、アベノミクスを提起して、日本の政治のあり方を急旋回させようとしています。 彼の政策は国を2分する重要な性格を帯びていますので、国民が自己の反省と痛みを伴いながら選択すべきものです。 ところが、彼が企てているのは、国民に討議の場を与えず議員の数だけに頼って一気にことを進めようとする陰謀です。
来るべき7月の参議院選挙に向けて、自民党はいわれなき安倍人気を醸し出し、産業界や学会等を総動員しマスコミをフル活用しながら世論作りに専念しています。私たちは、良く考えて一票を投じなければなりません。
安倍内閣の政策は、産業界に君臨する一握りの人たちを利するものであり、多くの庶民の役に立つものは何一つありません。
(1)3本の矢による経済成長政策
・1,000兆円に迫る国の借金残高を拡大し続ける金融政策の行き着く先は、国家破綻であります。
・公共工事拡大を軸にした財政政策は過去に経験済みであり、結果はバブル崩壊でありました。 この政策は、バブル崩壊により弱体化した建設業には手に負えない無用の長物であり、建設価格の高騰を招くだけであって、就労者の増加や企業経営の改善に繋がるものではありません。
・大量生産のための大量消費は限界に達しており、生産は順次縮小していきますので、民間投資をいかに喚起しても経済成長は期待できません。
(2)憲法に定めた平和主義の放棄
・安倍内閣は、軍事力なき平和外交は無意味だとし、70年近く続いた平和な環境を総括せずに憲法改正をめざして います。
・安倍内閣は、集団的自衛権を自国の自立と同盟国への義務と主張し、国民の意思に関係なく参戦する道を歩もうとしています。
私は参議員選挙の立候補者に手紙を送り、各人の政策を確認します。立候補者から届いた回答を、不慣れなインターネットで公開することにします。
○○候補にお尋ねします
(各設問の選択肢から1つを選び、その理由をお書き下さい)
(1)原発は
a.即停止すべきだ
b.期限を定めて停止すべきだ
c.運転を再開すべきだ
(2)消費税増税は
a.実施すべきでない
b.実施すべきである
(3)現行憲法は
a.守るべきである
b.改正すべきである
(4)今後の日本の経済の見通しは
a.成長し続けていく
b.低成長で固定化していく
(5)国民の生活について
a.金銭的・物質的豊かさをもっと向上させていくことは可能であり、そのための政策を打ち出していくことが大切である
b.今以上の金銭的・物質的豊かさを求めることは現実的ではなく、それを国民に理解してもらうことが大切である
政党政治が終焉し、良きにつけ悪しきにつけ政治の舵取りをしてきた政党の役割が、ひ弱なものとなりました。近頃の政党は庶民におもね、集票のみにうつつを抜かしています。
昨年の自民党の勝利も各党の政策も、その時の有権者の意思を反映しています。ただ、間違ってはならないのは、当選した議員たちが有権者の思いを代議する役割をほとんど担っていないことです。
大切なことは、私たちの生活と未来をこれらの議員に任せ切りにしないで、議会の外で仲間を集め声を上げていくことです。 その叫びで政党政治終焉後の政治に役立つ少数の議員を励まし、それらの議員たちと共に行動していくことが、私たちにできる「庶民による政治改革運動」のはじまりです。