当社代表桑原によるコラム「遊自耕」は、隔月発行の建築情報誌「飛翔」誌上にて連載しています。飛翔の送付をご希望の方は、飛翔送付申込フォームよりお申込下さい。(送付無料)
3.11の福島第一原発事故を経験した私たちは、原発が決して“安全で環境に優しく安価なエネルギー”ではないことを理解しました。また、いつ起こるか計り知れない自然の脅威により、原発が私たちの命を危険にさらすものになることを実感し、その事実におののいています。
それなのに、原発を止めることを拒否し、さまざまな言い分で存続させようとする経済人や政治家たちがいます。
(1)彼らは、経済成長のためには大量のエネルギーが必要であり、原発を止めてしまうとそのためのエネルギーが確保できない、と言っています。
しかし、国内の原子炉54基のうち1基しか稼動していなかった昨年も、国家と電力会社の節電要請を受けた国民の努力の甲斐あって、電力事情は大過なく推移しました。
原発存続を前提にした形ばかりの節電でなく、もっと本気で節電がなされれば、原発など不必要である、と無知な私は思い込んでいます。町を見回してください。デパートやスーパー、ショッピングモールなど、まだまだ節電はできるはずです。
(2)原発がないと仕事が無く生活できない、という原発行政に取り込まれた人たちがいます。
そんな人たちに問いたい。原発がある限り福島第一原発と同じような事故が起き、あの周辺の町の人たちと同じような状況に陥る恐れがあるのに、それでも原発を止めることには反対ですか?
原発からの資金援助がなければ人々の暮らしを存続させることができない、こんな政治と行政は正すべきであります。その地域にどんな仕事を作り出していくのか、生活支援や就労機会をどう実現していくのか、真面目に対策を講じていかなければならないと思います。
(1)運命共同体である国と電力会社は、今多くの国民に節電を呼びかけています。その要請に徹底して応えるのが、私の電気を買わない実験住宅であり、即ち節電率100%が目標であります。しかも、今商業ベースで提供されている価格と比べて破格に安い費用で行うことをめざしての実験です。
(2)原発を無くすには自然エネルギーへの転換が必要だと叫ばれていますが、メガ・ソーラーには反対です。都市化して田畑を失った地域で都市洪水が発生しているのと同様に、メガ・ソーラーを設置するために大規模に林野が潰されていき、動植物の生存が侵され多くの種が滅亡していきます。原発がなければそれで良い、のではありません。
(3)電気によって作られた大量消費の生活を振り返り、節約を心がけ、少量消費の生活に転換していくことが大切です。政治の分野では、全ての政党が「デフレ脱却・経済成長」を掲げていますが、それは国民迎合のまやかしの政策だと思います。税収も経済も縮小を図っていくことが必要ですし、私たちの生活も少消費をめざして努力することが重要だと思います。
(4)11月5日、私の電気を買わない実験住宅の明かりが灯りました。油もガスも使わず太陽だけで灯りました。感激であります。あと2日ほどで、お風呂も含めて節約型の電気生活が始まります。多くの皆さまに、電気を買わない実験住宅に体験宿泊する場を提供しますので、ご希望の方はご連絡下さい。
私は脱原発運動の実践として、電気を買わない住宅の実験に取り組んできました。
脱原発を強く願う人々に呼びかけます。電気を買わない住宅、電気を買わない生活を、脱原発の国民運動として共に実践していきましょう。