当社代表桑原によるコラム「遊自耕」は、隔月発行の建築情報誌「飛翔」誌上にて連載しています。飛翔の送付をご希望の方は、飛翔送付申込フォームよりお申込下さい。(送付無料)
共同通信社が支持政党についての全国世論調査を8月12日にしたところ、こんな結果になったそうです。
民主党 11.8%
自民党 20.8%
その他の政党(合計) 17.4%
支持政党なし 48.5%
わからない・無回答 1.5%
もはや単独で政権を担当できる党はなく、提携して安定した政権を維持する道もありません。このままでは現状の国民不在の政治が継続することになります。
現在の経済基盤の変化に対応して、産業も政治も構造的改革が求められています。
〔産業改革〕
・大量生産・大量消費に対応した製造業から、少量生産・少量消費に対応できる製造業へ転換する
・経済成長至上主義を見直し、業績の縮小を前提にした経営を行う
・貿易依存型から、地産・地消型に転換する
・金融商品を制限し、金融取引を縮小する
・国民の雇用・就労を農林水産業に移しつつ、現代的サービス産業は維持していく
〔政治改革〕
・増税を止める一方で、財政支出を縮小して増え続けている借金を大幅に減らしていく
・国税の割合を縮小して、地方税を拡大していく
・国税の縮小により中央官僚機構を縮小していく
・高齢化社会・人口減少社会において必要のない経済成長を求めない
・国際政治の舞台で経済成長を競わない
・国民に暮らしの自然回帰を求め、それを奨励する政策を実施する
これらは、産業界からの経済成長要請、国民からの生活依存要請に迎合せず、断行しなければ成し遂げることができません。しかし、現在の政党政治はこのような改革をできる状況にありません。先の世論調査に見られるように、国民の政党に対する信頼がなくなっているからです。
政治改革を実現するためには、結局私たち自身がそれに参画するしかありません。そのためには、国や企業に対する生活依存体質から脱却し、自立しなければならないと思います。
人類はこれまで、際限なく物欲を高め続けてきましたが、まず、これがどれほど不幸せなことか気付こうではありませんか。19世紀にマルクスが夢見た共産主義の経済レベルは既に達成されており、これ以上の物欲は地球破壊につながる罪悪です。
また、この物欲のために、人はいつまでも雇用の鎖にしばられ続けています。しかし、何も考えないでラットレースを続けるのはやめましょう。人のため、社会のために役立つ働き方に喜びを見出し、そのために心を通わせる仲間達と共同生産をめざすべきです。
このような自立的な考え方や生き方が、政治を身近なもの、国会ではなく日々の暮らしのなかにあるものとして捉え、政治音痴を克服して政治改革に参画する原動力になります。
既存の政党も新たに生まれる政党もいずれの政党も期待できず、国民の意思がほとんど反映されていない政治の現状を、国民の多様な意思が生かされるものへと変える運動の基盤になるのです。
最後に、本気で政治改革を目指す政治家に期待することを挙げます。
(1) 首相公選制の導入 (政党代表でなく、個人としての総理大臣を国民の直接選挙で選出することは、それだけ国民の総意が政治に反映されやすくなります。また、首相が政党党派に係わりなく閣僚を任命できる条件にもなります。)
(2) 代議制の本義に立ち戻った国会の実現
・議員の頭数を集め、国から支給される多額の金を分配する、といった派閥的行動を止める。
・政党助成金を全廃し、2大政党善論のまやかしを正す。
・国政選挙を大選挙区制に改め、個人としての意見・政策を持つ議員の増加を図る。
・世情に疎い官僚主導による形式的論議を排除し、国民の意志に基づいた論議を行う。
(3) 時代の変化に対応した政策の実施
・経済成長政策を改め、国家財政の縮小を図る。
・国家に対する依存を改め、自立と痛みを共有することを、国民に求める。
・原発を即刻全廃し、従来の方針を180度転換して、核の全てを廃棄するための研究に取り組む。
・政治は国民の意思の実現であることを原点に、個としての国民の国会外での活動(意思表明)に基づいて、政治の方向を決めていく。
小泉総理が自民党をぶっ潰したように、次の政治を担える総理は、政党をぶっ潰す気概のある人だと思います。
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