当社代表桑原によるコラム「遊自耕」は、隔月発行の建築情報誌「飛翔」誌上にて連載しています。飛翔の送付をご希望の方は、飛翔送付申込フォームよりお申込下さい。(送付無料)

遊自耕111号

さみしい政治の季節の中で

減産社会が始まっている

大量生産と大量消費により成長拡大しつづけてきた経済社会は、地球の自然を壊し、生物の生存を危機にさらしています。一方で、生産は停滞、雇用は縮小、混乱に陥った経済活動は解決の道を失っています。

もはや、増産し続ける経済社会がよみがえってくることはありません。今、これまでとは全く異なる経済社会が誕生しようとしています。

あほんだら政治家達

「景気の回復や経済成長は私に任せてください」「私は国民の皆様に豊かさを取戻します」

政治家達は、急速な経済社会の変化を分っているのでしょうか。分っていなければ政策の立案などできるわけもないし、分っていて今のような政治を続けているのなら、国民を愚弄するものであると言わざるを得ません。

今後景気は低迷し続けていきます。経済は減退し、国家財政は縮小していきます。

こんな時代を迎えても、経済を成長させ庶民の物質的欲求に応えるなどと、できもしない事をできるがごとく語っているのは、選挙の集票だけをねらった国民迎合であります。

国民迎合は、政党党派を問わずです。大政党を解党させ少数党を設立して、政党再編を主張する現代政治には、真に国民のためと思えるものはなく、各党の利己的利益の追求以外には見るべきものがありません。

民主党の代表選挙もぶざまなものです。小沢さんが立候補し、菅さんとの対決の型がとられそれを鳩山さんがトロイカに仕立てる。どこに国民のためと言えるものがあるのでしょうか。

小沢、鳩山両氏は、3ヶ月前に国民の批判を受けた謹慎の身であります。250年ほど前の世であったら「市中引き廻しのうえ打ち首」、よくもまあ……と思えてなりません。

官僚社会を徹底して解体する

公務員は国家と地方で合わせて約350万人いるそうですが、独立行政法人役職員等を除いた約294万人に対する今年度の総人件費(計画)は約29兆3000万円で、国と地方の税収合計約70兆円(見通し)の42%にもなります。財政破綻の重大な要因はここにあります。

やってはいけない仕事を作り、やらなくても良い仕事をし続け、それを国民のためだと言い放つ。こんな官僚の利権を徹底して取り払い、人数を減らす必要があります。まずは、特殊法人や独立行政法人等を一切廃止することからです。

また、公務員の身分保障をやめて労働三権を与え、大量解雇を実施すれば、目先の改善は進むと思います。

公務員を30%減らせば、105万人の労働力を減産社会の新たな分野である農林水産業に振り分けることができます。残った70%の者の人件費を30%減らせば、公務員の人件費は半分になります。

税を集め、配分し、それを己のために回流させている輩が少なくなり、力を失っていくのですから、国や地方の運営に新たな変化が生じてくるでしょう。

みんなの党の言い分は分かるが

「やるべきことはまだある」「官僚機構との闘いを曖昧にしてはいけない」

その通りだと思うし、あほんだら政治家だってそれくらいのことを言わなければならない社会になっています。

しかし、焼石に水を掛けることはできても、根本的な改善はできないでしょう。大量生産と大量消費の経済社会が終焉しているからです。

やるべきことは、破綻した社会システムや、国民1人1人が抱いている旧い価値観などを変える、苦難に満ちた道程を試みることです。

あほんだら政治家だけの政治ゲームでは何も変わりません。世論が、「市中引き廻しのうえ打ち首」の者を再登場させないような成熟を見せ、政治の方向性を示せるだけの力を持たなければならないでしょう。

自立した国民になるよう努力しましょう

破綻寸前国家に補助金をおねだりし、明日の分からない会社に生殺与奪を任せ切りにしている私達自身が、自分を振り返ってみることが必要です。旧い社会の価値観に支配され、物や金を幸せと思いちがいしてきたことに目覚め、少ない貨幣で元気に生きる暮らし方を確立していくことです。

経済の成長は後進国のものであり、成熟して人口減少が始まっている社会のものではありません。経済が減退し国家財政が縮小しても、私達の腹は満たされるし健康的な暮らしがよみがえってきます。

政治家に政治を任せることを改め、自立した国民となるよう努力していきましょう。国家の窮乏を国民にありのままに訴え、協力を求める政治家もそのうちに誕生してくることを、期待しつつです。

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