当社代表桑原によるコラム「遊自耕」は、隔月発行の建築情報誌「飛翔」誌上にて連載しています。飛翔の送付をご希望の方は、飛翔送付申込フォームよりお申込下さい。(送付無料)
国土交通大臣に前原誠司氏が就任しました。
八ッ場ダム、日航問題など、時を移さず多くの課題に果敢に取り組む大臣の姿に、敬意と信頼を感じています。
そんな中大臣は、「建築基準法の改正案を来年の通常国会に提出したい」との意向を明らかにされ、改正の狙いとして3つの方向性を示して省内に検討を指示されました。
そして、この改正作業は、官僚や学識経験者、業界団体の代表からだけでなく、多くの人達から意見を集めて行われようとしています。
このような動きにとても大きな期待を寄せると同時に、自らもそのために役割を果たすべく努力していきます。
新政権誕生までは、建築基準法を改正することなど全く問題にされませんでした。
大部分の業界団体は、天下の悪法の立案者であり実施者である国交省高級官僚に頭を下げ、己の利得のために法の運用緩和を懇願していたにすぎません。
ですから、良い建築を安く手に入れることを願う建築主の要望などは全く届かないし、法によって悪者に仕立てられてしまった大方の善良な設計者、その他建築に携わる技術者や技能者達はみな諦めの境地で、希望を失っていました。
また、この悪法により、激減した住宅着工戸数は一向に回復せず、わが国の景気の停滞が長引く結果を生み出しています。
諸悪の根源は官僚であるのに、その頭目をそのままにして緩和を懇願する。こんな馬鹿げたことはやめなければならなかったのです。
これから法改正を行うにあたって、私は、以下のようなスタンスを持つことが重要であると思います。
新政権は官僚支配と闘うことを基本に誕生しました。だから前政権ではなされなかった法改正を打ち出すことができたのです。
すなわち、この官僚支配と闘うというスタンスがなにより重要であり、これを貫いていけるのか妥協してしまうのかにより、法改正の成否は分かれます。
建築関連諸法に深く関わる者の1人として、新政権の今後の動きを期待を持って見守るとともに、これからも積極的に新政権の脱官僚姿勢を支える活動をしていきたいと思います。