昨年5月、私たちは岐阜市を相手取り、中央建設工事紛争審査会に仲裁申請をしました。北東部コミュニティセンターのコンクリート工事で型枠材料にフラットデッキを使用することを不承諾にした市の監督員の判断は不当であると主張してきたのですが、本年2月に示された仲裁判断で、この私たちの主張は認められませんでした。
数回開催された審理において、私たちは圧倒的に理がある主張を展開してきたつもりですが、結果は逆でありました。この判断は、本来の主張に理はないのに言い訳に等しいような理屈でなされた行政職員の権限行使を擁護するという、国交省の管轄にある中央建設工事紛争審査会の性格を浮き彫りにしたものと言えます。
私達はこれからも、今回の紛争審査会の判断結果にかかわらず、妥協することなく行政職員の税金の無駄使いを改めさせ、また、市民の代理者という建前で建設業者に対して横柄、不遜に振舞う風潮の改善を求めていきます。
北東部コミュニティセンターは、昨年9月に予定通り完成し引き渡されました。しかし、工事請負代金の変更については、その協議が整わないまま契約約款に示された日数が経過し、市から一方的に変更金額の通知がなされました。
代金変更協議では、両者の間で工事の変更内容とその数量は合意したのですが、増減額を決める単価が全く噛み合いません。
市は、「市の単価(P6参照)」に基づいて決定すると主張しますが、この「市の単価」は市とJVとの請負契約時や変更工事を行なった時には全く示されず、変更協議の場の最終段階でやっと提示された代物です。これに対してJVは、入札時に市に見積内訳明細書を提出し、見積金額の根拠となる単価を明示しているのです。市はこの内訳明細書の単価を全く斟酌せず、契約上何の根拠もない単価を押し付け、それを協議と言ってはばからないのです。
協議ですから、相手方の主張を全く否定するのではなく、少々の妥協や歩みよりを求められることは分からないことはありません。しかし、基準となる考え方が理に合わないので、合意はできませんでした。そこで、あまり期待できる中央建設工事紛争審査会ではありませんが、あらためて仲裁を申請します。
新しい年度になり、岐阜市も多くの建設工事の入札予定を発表しました。そのすべてが、これまでの飛翔で紹介してきた競争性も公平性もない落札率96%前後の指名競争入札だろうと思っていたところ、なんと4月早々に公募型指名競争入札が1件告示されたのです。(公募型指名競争入札とは、市が示した入札資格と参加条件に対して、入札参加を希望する会社が申込みを行ない、その中から市が条件を満たしかつ指名することが適当と認めた会社に対して指名通知書を交付するという方式です。)
さて、この入札も、入札条件を複雑にするだけで何の意味もないJV方式です。前回は、JV構成会社探しで苦労しましたが、そのときパートナーとしてご一緒した(株)丸泰は経営事項審査の評点の条件が合わず、今回は一緒に組むことができません。
また、いくつかある業者指名基準のひとつに「不誠実な行為の有無」があります。紛争審査会で不明な点を糺す当社を、この基準をもって指名から外すなどなさらないように願いたいものです。
当社が入札に参加することは、当社が落札しようがしまいが、市民にとって大きな財政的メリットがあることなのです。(なのに、希望社は岐阜市の建築工事指名登録業者になってから丸4年、いまだ一度も指名がありません。)
前回の工事では、当JVが落札し受注が決定すると、あれやこれやと市から一方的な要請が示されました。そこで次回からは、合理的な工事運営ができるよう、請負人として市に主張したり提案したりしていくつもりです。
伏魔殿で行なわれてきた公共工事を透明にして、行政職員の業務を改善するための提案をしていくとともに、これらの実態を市民のみなさまにも公表していきます。