(株)希望社は、桑原耕司が1988年に設立しました。
桑原はそれまで、清水建設という大きなゼネコンで長年、現場管理(現場監督)の業務に就いていましたが、「今の建築の仕組みは、建築主のためになっていない」ということをだんだん確信するようになっていました。
そこで、それまでのゼネコンや設計事務所ができなかった、建築主を建築の主人公にするための新しいサービスを始めるために、(株)希望社を設立したのです。
建築主は「自分の望むものを、良い品質で安く造って欲しい。」と願います。
でも、ほとんどの建築主は、建築の技術や材料やコストについて何も知りません。 設計や工事をプロに依頼するしかないのです。
ところが、建築のプロである設計事務所やゼネコン(工務店)は、こんな建築主の要望を実現していないのです。 設計事務所はデザインは優れています。しかし、建築主の要望を引き出すことや、目的にかなったプランを提案することが十分にはできていません。
また、限られた予算で建築主が望むものを造るといった能力や意識(品質や機能とコストのバランスをとることや、コストダウンのための工夫など)が、極めて低いのです。
ゼネコン(工務店)はどうかというと、談合という言葉に象徴されているように、会社間の競争をしない、建築主に本当の情報を知らせない、儲け本位になりがち、といった体質が強く、建築を安く提供しようとする意識や努力がないのです。
ほとんどの建築は、『設計(デザイン)はできるが、どのように造るのか、いくら費用がかかるのか、全くわからない設計者』と、『どのように造るかはわかるが、建築主が何のためにどんな思いでつくるのかを考えたこともない施工者』によって行われています。
設計と施工(工事)とが別々に行われているために、合理的な建築がなされず、建築主に対しトータルな責任を負えていないのです。
- 建築のあらゆる情報をすべて建築主にオープンにする。(透明性)
- 競争的な調達システム「JCM発注方式」で、建築コストを安くする。
- 品質や機能を良くしたり、コストを下げるために、一度出来た設計図を多くの技術者で見直す「設計改善(VE)」を行う。
- 設計と工事を一つのものとして捉え、建築にトータルで責任を持つため、できる限り一人の技術者が両方を担当する。そのために、設計も工事もできる技術者を育成する。
- “何とかして建築主の要望を実現したい”という視点に立ち、法令や役所に対して、慣習や常識にとらわれないで柔軟に対応したり、闘ったりする。
このような特徴を持つ希望社独自の建築システムを、JCM(日本型コンストラクション・マネジメント)と呼んでいます。